2020年3月30日月曜日

ICPモニターが本当に必要なとき

Guidelines for the Management of Severe Traumatic Brain Injury, Fourth Edition

Neurosurgery 0:1–10, 2016

日常診療でICPモニターが必要になる機会はそうそう少ない。
実際に必要な機会を考えるためにガイドラインでの推奨を再度振り返ってみた。

ガイドライン上のICPモニターの推奨
ガイドライン上のICPモニターの推奨

ガイドラインでのICPモニターの推奨定義

・GCS 3-8でCT上異常所見があるとき
・重症頭部外傷でCTが陰性で、①40歳以上②除皮質/除脳硬直③sBP 90mmHg以下時 のうち2項目以上満たすとき

実臨床に沿って考えると

日本であれば意識障害があってCTで異常所見があった段階で減圧開頭をしているだろう。
CTがネガティブだった場合に脳浮腫が増悪するとなると、それはびまん性軸索損傷ということになる。
重症頭部外傷でびまん性軸索損傷のみを呈している状況は極めて稀であろうし、そもそも予後は悪いかもしれない。
ただし、考えられることとしては小児・若年例で頭部外傷により原因のはっきりしない意識障害を呈している際だろう

ICPモニター自体は留置は15分程度だし、侵襲のリスクも比較的少ない。
重症頭部外傷が多くくる病院では留置してもいいのかもしれない 


感覚的には日本は若者で薬中の飛び降りによる意識障害が多かったりするので注意が必要だ