2020年5月7日木曜日

脳動脈瘤治療用の袋状塞栓デバイス「WEB」のエビデンス

Safety and efficacy of aneurysm treatment with WEB in the cumulative population of three prospective, multicenter series

J NeuroIntervent Surg 2018;10:556–562.

日本での販売が開始した脳動脈瘤治療用の袋状塞栓デバイス「WEB」
そのエビデンスを調べてみた
脳動脈瘤治療用の袋状塞栓デバイス「WEB」
脳動脈瘤治療用の袋状塞栓デバイス「WEB」
https://www.terumo.co.jp/pressrelease/detail/20190108/497/index.html

WeBcasT (WeB clinical assessment of intrasaccular aneurysm), French Observatory, and WeBcasT-2の3つの前向き多施設共同研究結果を合わせた研究結果
169動脈瘤に対して治療が行われ、8.3%がSAH症例。
動脈瘤の大きさは2.8〜17.0mm(平均7.6±2.5mm)。4.3%がコイルも併用
手術/デバイス関連合併症は1.2%、1年の時点で20.9%で残存動脈瘤あり、6.9%で再治療が行われた。
WEBにおける抗凝固薬の導入率:SAPTで手術を行っている症例が3割
抗凝固薬の導入率:SAPTで手術を行っている症例が3割

WEB各試験で閉塞率に相違なし
各試験で閉塞率に相違なし

WEBのMCA閉塞症例
MCA閉塞症例
永続的塞栓性合併症は3%でやや多い程度
術中破裂も1.2%で比較的少ない
再治療率も低いが、これはコイルの結果と同様

所感としては、動脈瘤内でシースを展開する怖さを考えると
優位性がなければコイルでよいのではないかと思ってしまう。
一方で、ネックが十分にない症例などにはコイルよりは有用なのかもしれない。
まだ実物を見たことがないので、再度レビューしてみたい。