2020年4月18日土曜日

COVID-19における中枢神経症状

Neurologic Manifestations of Hospitalized Patients With Coronavirus Disease 2019 in Wuhan, China JAMA Neurol. 

2020 Apr 10. doi: 10.1001/jamaneurol.2020.1127. [Epub ahead of print]

COVID-19の神経学的所見のまとめ論文
2020/1/16-2/19の連続214例のケースシリーズ
平均年齢、52.7歳、男性40%の結果、36.4%が神経学的症状を示した
重症の場合は急性脳血管疾患(5 [5.7%] vs 1 [0.8%])、意識障害(13 [14.8%] vs 3 [2.4%])、および骨格筋損傷(17 [19.3%] vs 6 [4.8%])が多かった
脳梗塞が4人、脳出血が1人(呼吸不全で死亡)、痙攣発作が1人

中枢神経症状は、めまい(36 [16.8%])と頭痛(28 [13.1%])
末梢神経症状は、味覚障害(12 [5.6%])と嗅覚障害(11 [5.1%])

COVID-19の患者背景
COVID-19の患者背景①

COVID-19の患者背景
COVID-19の患者背景②

重症化のリスク

・高齢
・女性
・基礎疾患あり(特に高血圧)
・症状が咳嗽・発熱・食思不振、意識障害

COVID-19の血液検査の特徴
COVID-19の血液検査の特徴

血液検査上の重症化リスク

・好中球の上昇
・リンパ球の低下
・CRPの上昇
・D-dimerの上昇
・CKの上昇
・乳酸値の上昇
・腎機能低下

重症化と中枢神経症状のリスク
重症化と中枢神経症状の比較
血小板低下が中枢神経症状のリスク

神経学的所見といいつつも意識障害も含めておりかなり広い症状を含んでしまっている
COVID-19の重症化の本態はARDS, DICと言われており、それに合致する血液検査所見である。

脳神経外科として気をつけるべきは
・めまい、頭痛、味覚障害、嗅覚障害などの外来診療のとき
・重症患者における脳出血、痙攣発作対応
ぐらいであろうか