"あなたの知らない脳"と"もうひとつの脳"
最近は脳神経外科の教科書ばかり読んでいたので、昔好きだった神経心理であったり、基礎研究の本も読んでみようと思って、
読んだらやっぱり面白かったという話。
あなたの知らない脳 意識は傍観者である (ハヤカワ文庫NF) Kindle版
デイヴィッド イーグルマン (著), 大田 直子 (翻訳)Amazon ¥881 |
「意識は一つにあらず、多数の総合が表出された結果にすぎない」
というのは脳梁離断(左右の脳を分離する手術)を行なった患者のエピソードが有名
すでに既成の事実ではあるが、やっぱり面白い
というのも当たり前すぎるが、再度認識するとやっぱり面白い
朝の起床から就寝まで人間はほとんどの行動をルーティンにしている
長い年月同じパターンで行動している人はなおさらそのルーティンの時間は長いだろう
そのルーティン化した行動には思考は伴わず、半自動で行動している
つまり、無思考の存在に至っているのではないか!
ルーティンは人間の行動に必要だから存在するわけだが、
自分の思考と意思決定を重要視していこうと考えを改めた一冊であった。
もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」 (ブルーバックス) Kindle版
フィールズ,R・ダグラス (著), 小松佳代子 (イラスト), 小西史朗 (その他)Amazon ¥1,650 |
グリアこそが脳である
グリア細胞にまつわるお話。
教育では「ニューロン」ばかりに目がいきがちで、実際の研究もニューロンにまつわるものばかり
近年明らかになってきたグリア細胞の機能 –実際にわかっていることは少ないが、ニューロンと同等以上の機能をしていることはわかっている– について書かれている
脳神経外科医が普段目にしている脳はグリア細胞である
まだわかっていないことが多いというのは十分理解できるが、
ニューロンだけでなく、グリア細胞が重要であることは十分理解した。
確かに腫瘍もほとんどがグリア由来だし、もっとグリア細胞について知っていてもよいのかもしれない