2017年9月21日木曜日

塞栓源不明脳梗塞に対するPFO閉鎖の効果

Patent Foramen Ovale Closure or Antiplatelet Therapy for Cryptogenic Stroke

N Engl J Med 2017;377:1033-42.

原因不明脳梗塞の原因検索でPFOが見つかることがありますが、見つかったからと言って奇異性塞栓が原因とは言い切れませんよね。PFOって2-3割の人にあるものですし。そんな中、PFOを閉じれば脳梗塞が減ることを示したstudyです。

P: 原因不明脳梗塞(Cryptogenic Storke)でPFO開存例
I: PFO閉鎖術+抗血小板薬
C: 抗血小板薬
O: 脳梗塞再発率

600人程をリクルート。年齢は実臨床と比較してかなり若い。画像で梗塞巣の確認がかなり少ない。
600人程をリクルート。年齢は実臨床と比較してかなり若い。画像で梗塞巣の確認がかなり少ない。
60ヶ月フォローでもPFO群の方が明らかに脳梗塞の再発が少ない
 60ヶ月フォローでもPFO群の方が明らかに脳梗塞の再発が少ない
臨床上の新規脳梗塞も減少する
臨床上の新規脳梗塞も減少する
サブグループ解析では、全体としてはHRはPFO閉鎖群に軍配があがるが、18-45歳の若年、女性、小さいシャントサイズなどでは現状のサンプルサイズでは優位な差はない
サブグループ解析では、全体としてはHRはPFO閉鎖群に軍配があがるが、18-45歳の若年、女性、小さいシャントサイズなどでは現状のサンプルサイズでは優位な差はない
主な副作用としてはAF, AFL。デバイス関連の副作用も少数ではあるが存在する。
抗血小板との比較だが、現在では塞栓性を原因とするならば抗凝固薬と比較すべき。Cryptogenic StrokeからESUSに時代は変わっている。
PFO閉鎖群と抗凝固群での比較で証明されればPFO閉鎖する価値はある。
現時点では保険適応もなく、臨床への適応は難しそう。