2020年4月16日木曜日

気管支喘息に対する造影剤使用について

造影剤の 適正使用推進ガイド FAQ 第3回 造影剤添付文書の 「原則禁忌」について考える

臨床画像 Vol.23, No.3, 2007
https://radiology.bayer.jp/properuse/cm_faq/

脳神経外科では造影CTによる血管評価を頻繁に行う。
困るのが、気管支喘息の既往があるとき。
当然、病院ごとにルールが定められているが今回改めて文献を当たってみた。
参考は日本の文献だがよくまとまっている

気管支喘息患者における造影剤使用時の副作用オッズ比
気管支喘息の患者の副作用比率は圧倒的に多い

気管支喘息がactiveなとき

基本的に禁忌

気管支喘息の症状をコントロー ルされているとき

RCR(The Royal College of Radiologists) のガイドラインでは造影検査によるメリットが高いと判断された場 合には実施可能

 小児喘息を含め気管支喘息の既往歴のある患者

基本的に実施可能
小児喘息のガイドラインでは無治療,無症状の状態が5年以上持続している場合を治癒としている
気管支喘息に対する造影剤使用に関する海外のガイドライン
気管支喘息に対する造影剤使用に関する海外のガイドライン

他諸外国のガイドラインACR:American College of Radiology, ESUR:European Society of Urogenital Radiology,RCR:The Royal College of Radiologistsにも絶対禁忌の記載はない

前処置

造影前にステロイドの点滴静注 (ソル・メドロール 125~250mg)を行うこともある。


結論としてはリスクがある場合はステロイド使用と十分なICでせざるを得ないといったところだろうか。
Activeな気管支喘息がある場合はMRIでやる他ないか