2018年6月17日日曜日

救急搬送時の血圧で脳卒中を鑑別する



Title: Prehospital systolic blood pressure is higher in acute stroke compared with stroke mimics
Neurology 2016;86:2146–2153

960例の脳梗塞疑いに対して救急車内での血圧と、診断の相関を見た単施設レトロスペクティブコホート研究
脳出血患者は救急車内での血圧が他の脳卒中と比較して高いということを示した


発症から初回の血圧測定まで80分近くかかっている。
国土の広さが物語っている

脳出血はどの収縮期/拡張期問わず他の脳卒中よりも血圧が高い

脳梗塞、脳出血ともに時間経過で血圧はそう変わらない

救急車内で何度も血圧を計測しても(横軸)
一貫して脳出血は血圧が高い

脳梗塞のetiology別に分けるとはっきりいって大した違いはない

Comment & Limitation
・本研究では血圧高値→救急車内での降圧開始が脳出血に効果的ではないか、と言われているが、国土の狭い日本では正直治療介入までの時間はそうかからないのではないか。脳梗塞に対する血圧低下はリスクになりかねないし、実臨床の上では微妙なアイディア
・現在の血栓回収療法の時代を考えると、血圧高値による脳梗塞の除外診断目的には一つの基準としては良いかもしれないが、結局人を集めたりする行動自体は変わらない。
・本研究ではくも膜下出血が9例しかなく除外されている。本当にStroke Centerなのか?


・LVO 主幹動脈閉塞と血圧の関係が出るとより実臨床に活かせるのでは