https://worldstrokecongress.org/2018
Evidence levelがRCT, n>1000がstandard。当たり前にdataがhigh qualified。圧倒的にnが足りない日本の病院でどう発信していくべきか考えさせられました。
❏大規模RCTのpublish前報告
・RESPECT ESUS
ESUSに対するダビガトランvsバイアスピリン 国際RCT
→990日時点でrecurrent stroke(脳梗塞、心筋梗塞を含む複合アウトカム)の再発予防効果は示せず。脳梗塞単体で評価しても再発予防効果は示せず
subgroup解析で75歳以上に絞ると再発予防の有意差あり!高齢者は心房細動が多いためより心原性に絞られた可能性がある
subgroup解析でPPI使用群のみにおいて再発予防効果が示されたが、PPIとDOACの関係は不明
major bleedリスクは有意差なし!NAVIGATE ESUSで示されたDOACの出血リスクの高さは今回は示されず。しかしminor bleedリスクも含めると有意に高くなってしまう
・POINT trial
脳梗塞急性期に対するDAPT vs SAPTの国際RCT secondary analysisの結果報告
脳梗塞は減らすが、出血リスクも増やさないことがこれまでに報告され、今回は経時的変化の解析を行うことでいつまでDAPTを投与すべきかというリスクベネフィットの分岐点を探索した
→day21まではDAPTは脳梗塞再発予防に有効だが、それ以降はSAPTと変わりない
出血リスクは経時的に変化なくDAPTは一貫して高い
CHANCE trial(中国での同様のRCT)でもday21まででDAPTの効果が示されており、かつ出血リスクは示されなかった。今後急性期脳梗塞に対するday21までのDAPT加療が一つの目安になるだろう
・FIND-AF trial
強化ホルター療法(10day×3回)の3年間の追跡結果 secondary analysis
→3年後にはAfの発見率、脳梗塞再発率は変わりなし!スマホやapple watchでAfが見つかる人が増えているようだ
・VERSE study
aphasiaに対する早期リハ介入 vs 標準介入 国際RCT
→改善なく意味なし
・WEAVE trial
頭蓋内主幹動脈狭窄に対するstent(wingspan)治療のon-label連続症例検討
SAMPRIS trial(NEJM2011)では15%が周術期に死亡し、頭蓋内狭窄へのstentはリスクが高すぎると考えられていた
一方、①術者の経験が浅く②発症7日以内の治療が多く③不適切な抗血小板療法が問題と指摘されたいた
今回、FDA認可のもと24施設で症候性頭蓋内狭窄ICADに対してwingspanでの加療が行われた
→結果、術後72時間以内の死亡(+梗塞発症?)は2.6%のみ。穿通枝閉塞による新規脳梗塞は0.7%のみ
SAMPRISでは術者の頭蓋内狭窄へのstent経験症例数中央値が10程度に対して、今回は30程度
Limitationとしては、day7以降にやったから合併症が少なかっただけかもしれず、かつ二次予防の効果に関しては今後の追跡結果を待つ必要がある
CASSISS trial(中国での同様のRCT)の結果がまたれる
・SELECT trial
血栓回収を行った4722人の多施設レトロスペクティブコホート
単純CTかCTPのどちらで治療を行うかを決めたか?の比較(documentationされたものを評価)では
単純CT-42%, CTP-56%であった。この比較でday90のmRSは差がなし!
Good CT かつPoor CTPは全体の7% day90-good mRSは25%のみ
Poor CTかつGood CTPは全体の10% day90-good mRSは50%であった
→実際にはCT, CTPのどちらも見て判断してるし多くのバイアスが含まれているが、単純CTだけでも十分な判断材料になっているようであり、単純CT単独で血栓回収をする時代がくるかもしれない
また、tPA施行群と施行しなかった郡の比較ではday90-mRSはtPA施行群の方が予後が良かった(p=0.05)。出血リスクは増えず、D2Pも伸ばさなかった。今後のRCTに期待される。
❏セッション
・AURORA study first autherの発表
Time is Brainだけの時代は終わった!
Outcome = 1/Final Infarct Volume x Regional Eloquence x Biological Age
Final Infarct Volume = Time / Collateral Fow
Corrateralsの評価が大事ということがAURORAで示された
これから知られるべきこと
①mRSは実際の活動量を表しているとは言い難く(mRS5と6なんて一緒だ!)Utility-Weighted mRSで再評価してみると、実はEVT郡と保存郡で差がない!
②CTPによるEVTのNNTは2.5だが、実際はCTPが取れる施設は少ない!→SELECT trialで単純CTだけでも予後に差がないという結果が示唆されているし、Aphasia, Gazing, Neglectなどの症状はLVOと強く相関しているため、症状と単純CTだけでもEVTできる時代がくるのではないか
・4人の血管内治療医で年250件のEVTを行っているオーストラリアの施設
飛行機、ヘリコプター、mobile stroke ambulance (救急車内にCTがあり頭部CTAも撮影できる)などの体制整備の紹介
6-24h経過例はCTPで評価ーRAPID使用
EVT without tPAのRCT, DIRECT safe studyを開始した!
SKIP, SWIFTに加えて、DIRECTと中国のstudyが進行中
・multiphase CTA カナダ
CTA +7s, +14sの3回測定
CTAのみではタイミングがずれることがあるがそれにある程度対応できる
特に心不全だとCTAのタイミングがずれる
側副血行路がわかることで虚血巣も推定できる可能性がある
・telecommunication ブラジル
日本製のアプリJOINが頻用され、telemedicineが当たり前になっている
時間外労働がかなり問題になっている→研修医が毎日病院にいるから大丈夫と
・drip & ship vs mothership
エビデンスはないものの、搬送に30分以上かかる場合はmothershipが多い
・RAPID
DICOM dataから自動で3D CTAの再構成ができるようになった
Viz LVOという別会社も同様のサービスも使われてきている
・TICH-2 study
脳出血に対するトランサミンの効果 国際RCT phase3で予後への影響は示せず
本研究のレジメンはローディングドーズ1g+8h後の追加1g投与
・ICHの管理
CTAでのspot signが血腫増大のリスクになり得る
内視鏡血腫除去の早期介入RCT (ENRICH study)が現在進行中
・アメリカ デンバーのComprehensive stroke center
2017年EVT 中央値 D2CT10分、D2P 35分、D2R 58分
周囲60施設へのtelemedicineでdrip&shipを指示するようになりtPA増えた
血栓回収はNeurologist(初期対応), Neurointerventionist, Radiologist, Anesthesiologistが集まり対応、術後はNeurohospitalist, Neurointensivistが対応
・ASTER study
ADAPT vs stent retriever単独 のRCTで予後評価の有意差なし
COMPASS study でも有意差示せず
・SAH管理
LUMAS2 studyでlumber drainageは直後のmRSは改善するが、6ヶ月後のmRSは改善しないことが示された
エリルはevidencseはあるものの日本と中国のみでしか使用できない
ミルリノンの治験が現在行われている
CONSCIOUS1, 2study(クラゾセンタンのRCT)でspasmとDCIの関係性は否定された
発症〜coil/clippingまでの積極的低血圧療法は施設間比較(retrospective cohort)では差がなし
HHHのHypertentionに関しては1970sに提唱されRCT HIMARAIA trialが施行もリクルートメントがうまくいかず中止。集まった40人の解析ではどれも有意差なし(stroke 2018)
・eTICI
JNIS 2018で発表、mTICIよりも偏りがない
・スタンフォード大学 血管内治療チーム
HERMES study以降、EVTの適応でわかっていないこと
①Young age
②Low aspects (0-4)
③M2 occlusion
④mild stroke NIHSS<10
これから研究していくこと
①IV-TNK 4.5-24h with diffuse3 selection
②EVT for children
③>24h EVT
④large core
⑤搬送中の神経保護薬の使用
・BEST trial
脳底動脈閉塞に対する血栓回収vs保存のRCT
・ATTICUS trial
ESUSに対するアピキサバンvs warfarinのtrial
→開始したとのこと
・lancet, NEJMなど5大雑誌+Stroke系の雑誌のediterのセッション
secondary outcomeが注目されすぎていること、定義が曖昧な単語”core” "window”などが氾濫していることを注意。
editer陣に女性が10%ほどしかいないこと、途上国のメンバーがいなく今後改革が必要であると
・テント下脳出血に対する血腫除去の成績(unpublished data)
現在のガイドラインは数十年前にpublishされた論文が元になっており、”3cm以上であれば手術適応”はevidence levelがかなり低い
今回、過去5つのstudyのindividual level dataを集め、propensity score matchingを行い疑似RCTを行った。
→3ヶ月後の死亡率は低下させるが機能予後(mRS0-3)は改善せず
subgroup解析では0-12ccでは手術郡で死亡率増加、15cc-30ccは死亡率低下、30cc以上は死亡率低下を示せず
実際には、血腫量の増多傾向を予測し手術に踏み切ったりするため、今回の規準がクリアカットな指標にはなり得ないが、一つの指標にはなり得る