2020年3月8日日曜日

抗血小板薬を内服している中等度脳出血に対する血小板輸血は予後を悪くするかもしれない

Platelet transfusion versus standard care after acute stroke due to spontaneous cerebral haemorrhage associated with antiplatelet therapy (PATCH): a randomised, open-label, phase 3 trial

Lancet 2016; 387: 2605–13

オランダ、イギリス、フランスなどの60の病院で行われた多施設非盲検RCT
対象は抗血小板薬を最低7日間は内服していた発症6時間以内のGCS8以上のテント上脳出血

抗血小板薬を内服している中等度脳出血に対する血小板輸血は予後を悪くするかもしれない

PATCH trialのフロー
各群約100人の割付


PATCH trialの患者背景
NIHSSは12-13程度、出血量も10cc程度

PATCH trialの結果
輸血群の方が予後不良な結果

PATCH trialの安全性評価
安全性評価で差はなし

中等症の脳出血は慎重な経過観察が吉か

重症であれば手術のために使用せざるを得ない状況もある。
軽症例は不要であるし、中等症は確かに悩ましいかもしれない。
今回の研究では有害事象が多いわけではないが予後不良の結果であり、説明できない因子が絡んでいる可能性が高い。
しかしながら、輸血に関する研究全般として、輸血群は予後不良である傾向があり(そもそも輸血が必要なほど重症であるというバイアスはあるが)、安易に使用すべきではないのであろう。