2020年3月9日月曜日

AfのあるACS/PCI患者の抗血栓薬はエリキュースがいいかもしれない

Antithrombotic Therapy after Acute Coronary Syndrome or PCI in Atrial Fibrillation

N Engl J Med 2019;380:1509-24.

AfのあるACS/PCI患者の抗血栓薬はwarfarin/DOAC + SAPT/DAPTなど様々な組み合わせが考えられる。
どの組み合わせが最も有用か実際のリスク−ベネフィットを鑑みて行われた2×2割付の多施設共同RCT。
2x2はエリキュース/ワーファリン と バイアスピリン/ プラセボ群。

出血リスクを考えるとエリキュース単独でいい

AUGUSTUS studyの結果
warfarin vs. apixaban で出血リスクはapixabanが少ない(優位かつ非劣勢)
aspirin vs. placebo で出血リスクはplaceboが少ない
2x2ではapixaban単独が出血リスクが少ない

死亡率と再入院を鑑みるとどれもかわらない

2x2の有用性の結果
warfarin vs. apixaban で死亡/再入院リスクはapixabanが少ない
aspirin vs. placebo で死亡/再入院リスクはかわりない
他リスクとベネフィットを細かく解析されているが、
総じてエリキュース単独で出血リスクが少なく、虚血性イベントは差がない状況

リスク層別化と軽症〜中等症への適応

エリキュースは効きにくいからこそ出血リスクが少なく、
虚血性イベントに差がでないほどには効いているからこういった結果がでるのか。

患者本人のリスクアセスメントは循環器内科医にしかできないが、
不要な抗血栓薬が減るのであれば、脳出血や外傷で対応する脳神経外科としてはありがたい。