2020年4月14日火曜日

転移性脳腫瘍に対する海馬を避けた全脳照射

Hippocampal Avoidance During Whole-Brain Radiotherapy Plus Memantine for Patients With Brain Metastases: Phase III Trial NRG Oncology CC001.

J Clin Oncol. 2020 Apr 1;38(10):1019-1029.

放射線治療科の先生に教えてもらったstudyがついに論文になっていた。
全脳照射は認知機能の低下が問題になるが、技術の進歩で海馬を避けた全脳照射が可能になり、今回RCTになった。
おそらくガイドラインに掲載されるキーペーパーだろう

残念ながら原本がダウンロードできず、abstのみ読んでみた

脳転移のある成人に対するRCT
全脳照射wメマンチン vs. 海馬を避けた全脳照射wメマンチン で比較
主要エンドポイントは認知機能障害までの時間
OS, PFSなども評価された

結果、約500名が割付され平均生存期間は7.9ヶ月
認知機能障害までの時間は海馬を避けた全脳照射で優位に長かった(aHR 0.74、95%CI 0.58〜0.95、P = .02)
OS, PFSに差はなし

認知機能低下は残された時間の生活に大きく影響する
OSを変えず、認知機能低下を防げるのであれば非常に有用と考えられる