A Randomized ClinicalTrial
JAMA Neurol. 2018 Jul 30. [Epub ahead of print]
・慢性硬膜下血腫には日本では五苓散が一般的に使用されているが、諸外国では使用されていない
・この論文の筆者が過去に行ってきた基礎研究で、スタチンが①血管壁の炎症を抑制し、②血管壁の修復を促進することが明らかになり、臨床での実用性に関して検証したもの
P: 18-90歳の症候性軽症CSDH
I: アトルバスタチン20mg 8週間
C: プラセボ 8週間
O: 8週間時点の血腫量の変化
(Secondary outcomeは4, 12, 24週時点での血腫量やGCS, ADL, Barthel Index, GOSなど)
計200名が参加
2郡間のbaselineに大きな差は認めない
4週間、8週間時点で血腫量は減少を認める
subgroup解析でリオペも減少
・安全性に関しても大した副作用はなし
・subgroup解析で高齢者、血腫量が多い方がより血腫量の減少を認めた
<Comment>
・中国でのRCTだがよくデザインされていることもありJAMAで採択
・スタチンの抗炎症作用は過去にも報告されており、脳梗塞急性期使用に関して議論がある所
・保険適応が問題が大した副作用もなく、病名がつけれれば使ってみるも価値あるか
・一方、日本では五苓散がfirst choiseであり、上乗せ効果があるかどうかは今後の研究が必要