2020年3月6日金曜日

EC-ICバイパスのエビデンス JAM trial

Effects of Extracranial–Intracranial Bypass for Patients With Hemorrhagic Moyamoya Disease
Results of the Japan Adult Moyamoya Trial
Stroke. 2014;45:1415-1421.

いわずと知れたJAM trial、のどこが微妙な結果だったのか確かめるために原著を確認
出血型もやもや病に対するEC-ICバイパスの有効性を検討した前向き多施設共同研究
Cox Regressionでは統計学的に有意差なし
カプランマイヤーでは有意差あり

"stastically marginal"と限定付けはされているし、nが増えればおそらく優位にはなるものの現状でエビデンスが保証されていない。

但し、日本にはもやが多く慣習的に行われてきた経緯もあり、EC-IC bypass自体は十分なICの上、患者の希望で行なう他ないのではないか。
バイパス自体は年々減少傾向にある印象ですし、症例が集まる施設で、十分な経験のある医師の元行うのが妥当と考えられます

また、ICSに対するEC-IC bypassに関してはJET studyが有名ですが、
そちらのクライテリアは概ね以下です。
・CT/MRI、Angio上一血管支配領域に渡る広範な脳梗塞巣を 認めない
・最終発作から 3 週間以 上経過後に行ったPETでMCAの血流量が正常値の80%未満
PETで80%以下を満たす症例はほとんどいないような気がします・・・