国際学会と聞くと"良い印象"を受けることが多く、期待しすぎていたのかもしれない。
大学病院の先生方が国際学会に行くのは、共同研究のためであったり、お世話になった海外の先生への挨拶だったり、ネットワーキングが主な所なのではないだろうか。
市中病院の一脳外科医は研究で生計を立てている訳でもなく、
そもそも研究なんてしなくても仕事は問題なくできる。
そんな中で、国際学会に行く意味を再度検討してみた。
・海外旅行に行く正当な理由になる
飛行機から見える富士山 |
海外旅行だって行けるチャンスなんて限られている。
国際学会は海外旅行に行く正当な理由になる。
ただし、開催場所は限られているので、行きたい国に行けるとは限らないのが辛い所。
American Airlineの飛行機 |
・仕事のモチベーションがあがる
World Stroke Congressの様子 |
多種多様な国の人々が実は同じようなことを考えていて、同じ研究をしていたり、
日本では絶対にできないような研究をしている海外のチームがあったり、
毎日同じことの繰り返しである仕事をいろんな視点で見つめ直す良い機会になる。
International Stroke Conferenceの様子 |
ISCなどは雑誌"Stroke"に投稿する上での登竜門と言われる。
日本の学会は査読もなく、落ちもしないので論文執筆においては意味がない。
論文を書く上でのモチベーションを保つのは非常に大変。
中間地点として国際学会の提出締め切りはとても良いペースメーカーになる。
11th world stroke congress |
・世界の中での日本を知る
日本には存在しない脂の多いSushi roll |
日本で当たり前のことが、海外では当たり前ではなく、
海外で当たり前のことが、日本では素晴らしいことであったりする。
毎回海外でラーメンを食べて後悔している。
後悔するとわかっていても、興味本位で店に入ってしまうのだから面白い。
海外に行くことで、日本の良さに、現状の良さに気づく瞬間がある。
そういう刺激は海外に行かないと得られないものなのだろう。
本物のハンバーガー |
しかし、論文を書けるぐらい仕事に熱意を持っていたいし、
国際学会に行って最先端の学問に興味を持って働き続けていたい。
その、通過点として国際学会に行くというのは数少ない有用な手段の一つなのではないかと思う。
医師という高度に専門性の高い職業はどうしてもルーチンワークが多くなる。
どんな症例がきてもルーチンのように対応できて初めて安定した診療ができていると言える。
しかし、一度ルーチン化してしまうと刺激がなく単調な生活になってしまう。
そこに少しでも学びの姿勢を持って刺激を受け続けることができれば
良き医師になれるのではないかと思う。