2020年2月28日金曜日

脳神経外科ガイドライン本

脳神経外科のガイドライン本をまとめます
画像からAmazonに飛べます

1. 脳卒中治療ガイドライン2015〔追補2019対応〕

脳卒中の大型エビデンスが全てよくまとまっている
都度追補が発行され、素晴らしきliving guideline

2. 頭部外傷治療・管理のガイドライン 第4版


3. 脳腫瘍診療ガイドライン 2019年版: 1.成人脳腫瘍編 2.小児脳腫瘍編

あんまり大したことは書いてないです

4. てんかん診療ガイドライン2018

てんかんの定義も変わりましたので要チェックです

5. 認知症疾患診療ガイドライン2017




脳神経外科レジデントにおすすめの教科書

脳神経外科レジデントにおすすめの教科書をまとめていきます
画像からAmazonに飛べます

1. 脳神経外科学

言わずとしれた「太田本」
かゆいところに手が届かない、が多くの知識が集約されている
脳神経外科を志すもののMUST BUY

2. 脳神経外科 周術期管理のすべて 第5版

術前術後管理について意外としっかり書いてある
周術期管理は施設基準があるとは思いますが、ベーシックを知るという意味で
持ってて損はない

3. EBMに基づく脳神経疾患の基本治療指針

EBM時代に必帯の教科書

4. 完全版 脳血管内治療学: 病態・治療法の本質的理解と臨床・研究発展のために

血管内治療における赤本
血管内デバイスはどんどん変わっていくが、血管内のまとまった教科書はなかなかないので必須の教科書

5. 血管内治療のための血管解剖 外頸動脈

dAVFの治療に必須の教科書です

番外編. 脳神経外科手術の基本手技

手術手技に関する伝説の本
すでに絶版になっているが今でも高額で取引されている

血栓回収術は局麻より全麻の方が良い

Association of General Anesthesia vs Procedural Sedation With Functional Outcome Among Patients With Acute Ischemic Stroke Undergoing Thrombectomy
A Systematic Review and Meta-analysis
JAMA. 2019;322(13):1283-1293.

血栓回収術時の麻酔方法を扱った研究のメタアナリシス
全麻の方が最終的な予後は良好



















サブグループ解析でも概ね全身麻酔の方が良好である結果
全身麻酔を行うまでは時間がかかるが、結果的に再開通までの時間や再開通率に影響して最終的な予後に影響していると考えられる

実際には従名がしっかり入る場合は局麻で、入らない場合は全麻が妥当なところか
もちろん、鎮静挿管に熟練した救急科等が介入してくれるかどうかなど施設のキャパは大きく影響するだろう

血豆状動脈瘤への複数ステント治療の成績


Treatment of Blood Blisterelike Aneurysms with Stent-Assisted Coiling: A Retrospective Multicenter Study
World Neurosurg. (2019) 126:e486-e491.

213例の血豆状動脈瘤に対してステント治療の成績 中国の論文
フローダイバーターが適応拡大するまではステント重ねがBetter treatmentか?


意外とステント群が多い


アンギオフォロー症例でも閉塞群が多い


フォロー期間は様々だが何より予後良好

血栓回収術をすると減圧開頭が減る

Effect of Endovascular Therapy on Subsequent Decompressive Hemicraniectomy in Cardioembolic Ischemic Stroke with Proximal Intracranial Occlusion in the Anterior Circulation: Sub-Analysis of the RESCUE-Japan Registry 2
Cerebrovasc Dis  Published online: September 13, 2019

80歳以下の心原性IC, M1閉塞に対する血栓回収術では減圧回答が減るというRESCUE Japanのサブ解析
臨床上も血栓回収すると広範囲脳梗塞かと思えばそれほど浮腫まず経過する例は多い
高齢者に血栓回収を行う意義の一つかもしれない


減圧は少ない


2020年2月24日月曜日

はじめての投資


レジデントにもなると、それなりにまとまったお金が入ってくるので(長時間働くようになるので)投資というものにも興味を持ってくるでしょう。
色々調べた結果、そして実際にやっていてオススメできる投資を掲載します。

結論としては以下の本↓の通りにやるにやるのが安牌です。













FXとか個別株への投資とか仮想通貨とか色々ありますが、
実際医者やりながらだとそんなに時間を費やせないので、お金を"寝かせておく"のが一番です。
中でもリスク・ベネフィットのつりあいが取れているのがインデックスファンド投資

SBIに登録して、国内と海外のインデックスファンドに半々で投資。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate
もちろんNISAも毎年フルで使い切って半々で投資。

銀行に寝ているお金は増えませんが、経済は基本5%で成長を続けているので、
1000万円投資すると5%/年の成長で50万円くらいは増えます。
調子がよいときは10%/年で100万円くらい増えますが、そんなお金すぐに使わないのでひたすら寝かしておきます。
寝かす時間が長ければ長いほど稼いでくれるので

2020年2月23日日曜日

脳梗塞後脳浮腫スコア

Enhanced Detection of Edema in Malignant Anterior Circulation Stroke (EDEMA) Score A Risk Prediction Tool
Stroke. 2017;48:1969- 1972.

時折、広範囲脳梗塞後で減圧するかどうか悩むときがある。
意識レベルが低下したらすぐ減圧、なのだけれども実際には間に合わない場合もありうる。
脳浮腫増悪スコアが高けば日中におちついて減圧は一つの選択肢かもしれない。

クライテリアとしてはNIHSS≦8の前方循環の梗塞







7点以上だとまず増悪する

実際には後方循環の方が緊急を要するか
調べた限りでは後方循環のスコアはなさそう

2020年2月22日土曜日

無料でIFを検索する方法

Impact Factor (IF)はJournal Citation Reportsでのみ検索できます。
しかし、ログインが必要で、研究機関を離れた場所で
「この論文とこの論文のどっちが信頼性が高いか」
などを調べたいときは不便です。

そこで、IFに代わる指標で無料で検索できるのがScimago Journal & Country Rankです

https://www.scimagojr.com/

Googleのランキングアルゴリズムに似たアルゴリズムを使用しています
単純に論文の信頼性を見るだけならこれで十分です

2020年2月21日金曜日

周術期の脳卒中発症頻度

Perioperative covert stroke in patients undergoing non-cardiac surgery (NeuroVISION): a prospective cohort study.
Lancet. 2019 Sep 21;394(10203):1022-1029.

心外、脳外科では周術期脳卒中は当然ありうるリスクだが、
それ以外の外科手術でも周術期脳卒中がおきているという結果

心外、脳外以外の手術を受けた65歳以上の1100人以上の患者の前向き国際コホート研究。
MRIでは患者の7%に脳卒中があり、認知機能低下のリスク増加と関連していた。

全身麻酔自体が長期臥床・認知症リスクであり、外科医による術前の十分な説明が必要と考えさせられた。もちろん手術しないとよくならないから手術を受けているのだろうけれども。

血栓回収術時は全麻か局麻か

Association of General Anesthesia vs Procedural Sedation With Functional Outcome Among Patients With Acute Ischemic Stroke Undergoing Thrombectomy: A Systematic Review and Meta-analysis.
JAMA. 2019 Oct 1;322(13):1283-1293.

3つのRCTのメタアナリシスで全麻の方がmRSが良いという結果に。

術中に動けば動くほど回収できないので、全麻に少し時間がかかってもTICIがよければmRSも改善するであろう。
左MCA、BAなどは重症度高ければ全麻で、
右MCAなど従名がしっかりはいれば局麻で、
が実際の所だろうか

脳梗塞後の目標LDL

A Comparison of Two LDL Cholesterol Targets after Ischemic Stroke.
N Engl J Med. 2020 Jan 2;382(1):9.

LDL-C 70mg/dL以下を目標に!
とのこと

海外はとにかく下げる流れになっている気がする

NEJMがムービーまで作っている





実際には強スタチン処方限界量でも70mg/dLに達成しないから
PCSK9のレパーサの出番??いやいや

静脈洞血栓症に対するDOAC

Safety and Efficacy of Dabigatran Etexilate vs Dose-Adjusted Warfarin in Patients With Cerebral Venous Thrombosis: A Randomized Clinical Trial.
JAMA Neurol. 2019 Sep 3.

120人の静脈洞血栓症患者に24週間にわたってダビガトラン/ワルファリンをランダムに割り当てたRE-SPECT CVT Trial。

 

同様の有効性と安全性を持っているとのこと。
日本では保険認証の問題で表立っては使いにくい。
あとは、出血症例などは当然ヘパリン+EVTが妥当であるし、急性期は出血リスクの見積もりもしにくくてよほど軽傷例でなければ使いにくいか。

m3での教科書代稼ぎ

m3.com

https:https://www.m3.com/

短時間のアンケートで月5000円くらいのAmazonポイントが入ってくるサービス

登録すると、クリックすると小銭が入ってくる仕組みがあるが、ほとんど金にならないので、アンケートだけやること!
でないと時間ばかりとられてコスパが悪い

月に2回掲載される「最近入手された医薬品の情報源についてのアンケート」
というのを行うが重要

まだ登録されていない方はこちらから↓登録だけで5000円入ります
//www.m3.com/invited/index.jsp?id=31271&pmc=DR_201501_M3COM

脳出血後の降圧による急性腎障害

Evaluation of Acute Kidney Injury and Mortality After Intensive Blood Pressure Control in Patients With Intracerebral Hemorrhage
J Am Heart Assoc. 2018;7:e008439.

最初の12時間以内にsBPを90mmHg以下にするとAKIになるリスクは高まり、腎機能が正常であった人においては死亡率にも相関するという結果。


いずれにせよ、低すぎる血圧管理はリスクが高い。
normoでの管理が現在のトレンドの様。

脳梗塞後の抗凝固薬再開のタイミング

Timing of anticoagulation after recent ischaemic stroke in patients with atrial fibrillation
Lancet Neurol. 2019 January ; 18(1): 117–126.

2つのRCTと1つの後方視的研究を紹介
RCTでは中程度〜高度の脳梗塞に対して3-5日のDOACの再開でMRI上を含む頭蓋内出血の増加を示唆。
retrospective cohortでは1-2週間以上置くと脳梗塞再発と関連を示唆。

実際のところ適切なタイミングはまだ決まっていない。
これに対して以下のRCTが進行中。2021年には終了予定

そもそも患者背景によって出血リスク・梗塞リスクは様々
実際にはChadsvacsやHasbledなどのでリスクベネフィットを見積もって
MRI等の画像評価も含めて発症/術後1週間後に再開を検討が妥当なところではないか
安定していればDOACでの再開でもよいが、心もとない場合はヘパリンで様子みることが妥当か

あとは脳梗塞の再発は自然な経過、出血は医原性のものと考えて抗凝固の再開を控えめにする考えもありそう
いずれにせよ、エビデンスの蓄積が待たれる