2020年6月27日土曜日

シンプルな診療

Minimalismという言葉がある

本質的には、物事を減らすことで本当にやりたいことに時間をかけるという意味なのだろうけど、一般的には異常なほど物をもたずに生活する人と認識されているのではないかと思う
家の物を全部倉庫に置いて、1日に1点だけ増やしていけるというフィンランドの映画
minimalismの本を読むと、大体200個ぐらいあれば生活できるらしい
しかし、それ以上に何もすることのない時間を作ることで本質的にやりたいことに時間を費やすようにしようということだ
このスタイルは個人的にも共感する

診療も手術も必要最低限を目指すスタイルでよいのではないかと思っている
不必要な治療、不必要な検査は複雑な結果を招き、結果的に患者のためにならないのではないか
物事はできるだけシンプルに
この患者にとってベストな何か、周囲の情報に惑わされずに意思決定すること
シンプルな診療こそ、一つのあるべき診療スタイルなのではないかと思う

2020年6月26日金曜日

職場は何で選ぶか

医師にとって良い職場とは何か

初期研修医の時にイケてる上司に教えてもらったこと
とても納得できたし、よく覚えている、後輩にも伝えるようにしている
医師によって良い職場とは何か
患者数が多い
自分の裁量で物事を決めれる
給料が保証されている
こと3条件が良い職場だということ

患者数が多くなければ多くの疾患をみることができない
見た数が経験値になり、外科医でも内科医でも上達していく
自分に裁量権がなければ、自分で考えないし、向上していかない
そして労働の対価に見合う給料が保証されていること

当たり前だが、この条件の病院にはすでに多くの医者が勤めているため
ポストがない
それに有名病院は大学医局が支配していることが多い

ポストがあって、上記の条件が揃っている病院はなかなかない
だから、それを探して就職するのがいい
ということだ

これは結構なところ合っているんではないかと思っている

2020年6月25日木曜日

ロートンの教科書が面白い

どこの医局にもあるロートン
ふと手にとってもたら面白かった
"解剖の教科書"という印象が強かったが、
タイトルにもあるように"手術アプローチ"も書いてある
https://www.amazon.co.jp/dp/4524269150/
体系だって手術アプローチが書いてある本は少ない
写真も綺麗だし、とても参考になる
やはり名著は名著だった

2020年6月24日水曜日

体の健康とこころの健康

ふと、こころの健康を考えた

歳をとっても健康でありたいとは思う

体の健康は認識しやすい
健康的な①食事、②運動、③睡眠を行うことで達成されるだろう
具体的には、
①塩分・糖分を控え、様々な種類の材料を使ったバランスの取れた食事を決まった時間にとること
②週に2-3回の1回あたり30-60分の汗を書く運動をすること
③決まった時間に6-8時間の睡眠をとること
なのだろう

では、ココロの健康とは何か、達成するためにはどうしたらいいのか
WHOでも解説されているが、厚生労働省のホームページがわかりやすかった

https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html
こころの健康とは、病的な状況にならないこと、そして健全であることの二種類にわけられそうだ

病的な状況とは適応障害やうつ病などの精神病である
精神病は原因がはっきりとはわかっておらず、診断自体もスペクトラムーつまり白黒ではなく、限りなく白い黒や黒い白があるということーであるから、どうしようもないのだろう
遺伝的要因、環境的要因など自分の意思ではどうしようもない場合も多い
これはさておき、こころの健全とは何か

こう書いてある
こころの健康とは、世界保健機関(WHO)の健康の定義を待つまでもなく、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件である。具体的には、自分の感情に気づいて表現できること(情緒的健康)、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること(知的健康)、他人や社会と建設的でよい関係を築けること(社会的健康)を意味している。人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)も大切な要素であり、こころの健康は「生活の質」に大きく影響するものである。
情緒的健康はすなわち、思ったことを言えることということだろうか
知的環境とは、自分で考えて物事を進めていくことだろうか
社会的環境とは、気のおけない友人がいるということだろうか

人間的健康が難しい
人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)
・・・
これは難しい
人生の目的や意義を見出すのも難しいし、
その上で主体的に人生を選択しなければならない
これを達成している人なんてほとんどいないのではないか?
しかし、あるべき状態、普遍的真理のような気もする

人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択していく
そんな人生を歩めるように心がけていきたいものだ
それ即ちこころの健康につながるのだろう
歳をとってもこころの健康を保つために、目的や意義を考えていきたい

2020年6月23日火曜日

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2020年6月19日金曜日

low ASPECTSでもETVは有効:メタ解析

Mechanical thrombectomy in patients with acute ischemic stroke and ASPECTS ≤6: a meta-analysis
J NeuroIntervent Surg 2020;12:350–355.

doi:10.1136/neurintsurg-2019-015237

ASPECTS 0-6症例に対する血栓回収術のメタ解析
90日後mRS0-2の割合が血栓回収群30%に対して、保存群は3%
70歳未満が40.3%に対して70歳以上が16.2%
low ASPECTSでもETVは有効
low ASPECTSでもETVは有効

ASPECTS 5くらいまでは許容か。出血は差なし
ASPECTS 5くらいまでは許容か?出血は差なし
ASPECTS 4の約4人に1人が3か月でmRS0-2になるという
組み入れ基準はstudyによって様々ではあるが、
おそらく発症24時間以内のIC-M1閉塞、DWI-FLAIR mismatchあり症例であろう
現状ガイドライン上の厳密な定義はないが、70歳未満であればlow ASPECTSでも
望みを持っても良いのかもしれない

2020年6月7日日曜日

感染性脳動脈瘤のレビュー

Intracranial infectious aneurysms: a comprehensive review

Neurosurg Rev (2010) 33:37–46 DOI 10.1007/s10143-009-0233-1

IEによる感染性脳動脈瘤で治療を検討した一例があったため流し読み

疫学

・感染性心内膜炎の患者の3〜10%でおきる
・年齢の中央値は35.1歳
・HIV関連の場合、前方循環のproximalに紡錘状にできる・41.0%が嚢状で52.5%紡錘状
・57.4%がMCAにあり、17.6%がPCAの抹消にある

診断

・神経学的症状のあるIE患者はDSA(gold standard)をすべき
・CTAはDSAに匹敵しうる
・MRIは4mm程度なら識別できる

未破裂感染性動脈瘤

・手術リスクが高い場合は保存加療
・保存加療では29%で動脈瘤は消失、18.5%はサイズが減少、15%は変化せず、22%はサイズが増加、15%で追加の動脈瘤が発生
・動脈瘤が経時的に縮小せず、拡大している場合は手術適応

破裂感染性動脈瘤

・クリッピング、血管内コイル、またはいずれかによる動脈瘤のトラッピング
・心臓の手術後は抗凝固薬が導入されるため、血管内治療が好まれる傾向にある
・コイルなど異物をおくことで感染が助長したという報告はない

distalの微小動脈瘤が多いので、MarathonにED coilが多いのだろうか
通常の動脈瘤より当然リスクは高く、経過評価して増大傾向あれば手術適応といったところが妥当なところだろうか

2020年6月4日木曜日

JNSの手術動画サービス

以前とりあげたJNSの手術動画サービスがversion upしていた
The Neurosurgical Atlas
https://www.neurosurgicalatlas.com/
The Neurosurgical Atlas
The Neurosurgical Atlas 
3Dモデルも見れるようになったし、
各手術に関する教科書的なページも追加された(もちろん手術動画もついている)
各手術に関する教科書的なページ
各手術に関する教科書的なページ
これは勉強になりそうだ。

2020年6月3日水曜日

血栓回収困難例へのウロキ動注

Safety and Efficacy of Intra-arterial Urokinase After Failed, Unsuccessful,or Incomplete Mechanical Thrombectomy in Anterior Circulation Large-Vessel Occlusion Stroke

JAMA Neurol. Published online December 9, 2019.
doi:10.1001/jamaneurol.2019.4192
約1000例の後方視的解析
100例がTICI2b以下の後、続けてウロキナーゼ動注を受けた

症候性ICSは増えず、mRS0-2@90dも変わらず、死亡率@90dは減ったという結果
ウロキ動注によってTICIは若干の改善あり
ウロキ動注によってTICIは若干の改善あり
明らかに有意な結果とはいえないが、ウロキ動注の可能性を感じる研究だ
確かにTICI2bに終わってしまった患者で、すぐ近くまでカテーテルがあるのであれば、tPAよりも選択的IAで投与した方が全身の出血性合併症は少ないだろうし、
TICI2bよりTICI3の方が後遺症としても少ないだろう
虚血領域に対する出血性合併症のリスクはあるものの、症例を選べば有用である可能性がある。
ただし、あまりにも挑戦的すぎる。
実臨床で使うには、RCTが出て、ガイドラインに掲載されてからが良さどうだ、
そのくらいリスクは高いだろう。

2020年6月1日月曜日

Strokeハンドブック

血管障害を行う医師は誰しも持っているStrokeハンドブック

https://www.otsuka-elibrary.jp/support/index.html

mRS, NIHSS, dAVFの指標の定義や、動脈瘤に関する大規模studyの結果などが記載されていて大変便利です。

大塚製薬に言えば持って来てもらえますが、
意外とpdfでダウンロードできました

strokeハンドブック
strokeハンドブック

上記の大塚製薬のホームページに入って、
会員登録が必要な上、郵送で送られてくる本人確認のはがきを確認しないといけませんが、ダウンロードできます。

スマホに入れておくと、ハンドブックを持ち歩かなくてよいので、さらに便利です